オウンドメディアの目的を定性的に設定することの重要性
近頃、企業都合のメディアが乱立していると感じます。
オウンドメディア立ち上げを支援していますが、売上至上主義になっていたり、KPI設定してPV・UUだけ追いたいという要望を数多くいただきます。
彼らにとって、オウンドメディアは「広告の延長線上の施策」にあります。
リスティング広告のCPAが悪くなってきたから、オウンドメディアで費用対効果の改善を図る、というパターン。
数多くメディアの立ち上げをサポートしてきましたが、そういった思想・体制で運用されているメディアは遅かれ早かれ失敗するなと見ていて感じます。
(失敗=運用疲れしちゃうとか、KPIに達せず早々にリタイアするとか)
自分への戒めも兼ねて、もっと「ユーザー目線」の重要性について考えます。
メディアの必要性を定性的に考える
オウンドメディア成功の秘訣はこれに尽きます。
シンプルに言うと、「どんなユーザーが、何を求めて、メディアに辿り着くのか?」を徹底的に考え抜くことです。
分かりやすい例があったので引用します。
コンテンツマーケティングの雄、freeeさんが運用する経営ハッカーのインタビューです。
経営ハッカーはfreeeが立ち上がるタイミングで始めたんですが、もともと佐々木(freee株式会社CEO 佐々木氏)が会計関連についていろいろ調べた時、情報が出てこないことに気づきました。
お給料に関する情報って国のサイトしかなかったんですよね。なので、中小企業の人がなにもわからない状態でなにを見たらいいの?って時に正解を得られるようなサイトを目指しています。
「会計についてよく知らない中小企業の人たちが、自社の経営状況を正確に把握するために参考にするサイト」であることが経営ハッカーの存在意義です。
メディアが何故必要とされるのか?が明確ですね。
「ユーザー目線」とはこういうことなのだと思います。
メディアの必要性を定性的に考える方法
- どんなときに見るメディアなのか
- 検索時にどういったニーズがあるのか
- どんなコンテンツで解決できるのか
- ユーザーの感情はどうなったか
これを用いて、
- タイミング
- ニーズ
- ソリューション
- ユーザーベネフィット
を把握します。
上記を考え抜き、ユーザーにとって価値のあるものであれば、適切なメディア運用をするだけでメディアは自然と成長します。
ユーザーのために、「何故やるのか?」を原点に戻って考える
「なぜやるのか?」を考えることってすごく当たり前だけど、KPIに追われ売上目標に追われ忙しなく運用をしていると見えなくなることです。
オウンドメディアの話ではなく、ビジネスの話ですが「何故やるのか?」を考えることの重要性を説いた腹落ち感のあるTEDの動画があったのでよろしければご覧ください。
(字幕を付けてご覧くださいませ)
また、2,500,000PVを集めるウェブマーケティング初心者のためのメディアとして有名なferretの編集長の方はこんなことを仰っています。
「オウンドメディアは儲かりますか?」という問いに対して、
そもそもオウンドメディアって、儲けを考えるものではないですね。
これは僕の中の答えです。結果的には儲かります。オウンドメディアとして確固たる地位を築けばいくらでもマネタイズする方法はあります。
例えばferretってかなりニッチな業界のメディアではありますが、立ち上げ1年半で営業利益黒字出してるんで、そういう意味では儲かります。
ただ、メディアをやるのであれば、誰の何をどのように解決したいか、これが全てだと思っています。
その先に儲けは後からついてくるものです。
どれだけユーザーと向き合って、彼らが求めるものを提供できるのかを考えるのが最初だと思っています。
なので、儲けを考えてオウンドメディアやるのは正直ちょっと違うかなと思います。
まとめ
この記事はこれからオウンドメディアを作る方、すでに運用している方。はたまたメディアを制作する方に向けて書きました。
検索をするひと全てのネット体験が素晴らしいものになることを祈っています。